2018.08.17 Fri

庵野秀明も期待をよせる!? プロジェクトスタジオQ主催アニメCGコンテスト「Award:Q」第1回表彰式レポート

「プロジェクトスタジオQ」が主催するアニメCGコンテスト「Award:Q/Project Studio Q Anime CG Award 2017」の東京における表彰式が、6月24日(日)秋葉原のUDX ギャラリーネクスト NEXT-2にて開催された。本稿では、各部門の入賞作品ならびに当日の様子をお届けしよう。

TEXT_日詰明嘉 / Akiyoshi Hizume
PHOTO_弘田 充 / Mitsuru Hirota





プロジェクトスタジオQ(以下、スタジオQ)は、スタジオカラー・麻生塾・ドワンゴの3社によって2017年7月に福岡市に設立された3DCGアニメーションスタジオである。

本コンテストは、モデリング部門(高校生の部/一般の部)、アニメーション(一般の部)に分かれ、2017年12月1日 〜 2018年3月31日の期間に募集された。
モデリング部門は 「日本アニメ(ーター)見本市」の『I can Friday by day!』より「少女A」もしくは「少尉」を、メカは『偶像戦域』より「ソードイルガ」もしくは「アーチイルガ」をモデリングして1枚絵として出力し、ArtStationにアップロードをする。アニメーション部門は「重たい剣と軽い剣を持った、男女のバトルシーンを15秒以内で表現」し、Youtube へアップロードするというもの。
審査内容について、モデリングでは「静止画の見せ方、メッシュの美しさを含め、設定画から立体作成する能力」を、アニメーションでは「アニメーション、レイアウトを中心に演出力を審査いたします。装飾過多なモデルは審査の対象になりません」と、実践的な課題が与えられ、スタジオとの距離の近さを感じさせる。

主催者挨拶で太田豊紀同社代表取締役社長は、「レベルが高い作品が集まって嬉しく思います。できれば福岡に来ていただいてプロジェクトスタジオQで働いていただければ」と語った。


太田豊紀(株式会社プロジェクトスタジオQ 代表取締役社長)


審査委員長を務めたスタジオQの小林浩康 取締役は、まず特別審査員として参加した同社創作管理統括を務める庵野秀明氏からの手紙を代読して、「できたばかりのスタジオが主催する、何ら実績のないコンテストに参加していただけただけでもありがたいのに、クオリティの高い作品が集まり心から感謝いたします。そしてこのような活動がアニメーション映像のクオリティアップの一助になればと願います」(庵野)とコメント。


小林浩康(株式会社プロジェクトスタジオQ 取締役)


続けて小林氏は、総評として「初開催のコンテストでしたが、思いのほか、皆さんに応募していただき、かつクオリティの高い作品が多く、驚き、そして嬉しく思っております。特に高校生部門は本当にクオリティが高く、こんなレベルの子が高校にいるなんて、そしてこの子たちが働く頃にはどんなレベルになるのか期待でいっぱいでした。一般部門でも趣味でつくられている方が多かったですが、プロのクオリティにも劣らない作品が多く、この方たちともしチャンスがあってお仕事ができれば嬉しいと思えるようなコンテストでした。このコンテストも継続していけたらと思いつつ、この発表で応募者がさらに増えると嬉しいです。今回はクオリティの高さに目を見張ったというのが審査員一同の言葉かと思います」と語った。

授賞式ではモデリング部門(一般の部)でグランプリを受賞した楠戸亮介さんが代表し受賞者挨拶し、「今回のコンテストは進級制作の後に先生から知らされ、自分の力を試したかったのと、課題がロボットだったので作ってみたかった。作業して形を作るのは難しいものばかりで、時間は1ヶ月半しかなく最終日に完成しました。勝つ気で作って結果が出て嬉しかったし、今までコンテストで1番を取ったことがなかったので、受賞にビックリしました。選んでいただきありがとうございました」と、話した。


授賞式の様子。審査委員を務めた「CGWORLD」編集長の沼倉有人は、その後の乾杯の挨拶にて「アニメのCGを作る上で課題もプロと同じくらい難易度が高いものだったのですが、そこにもしっかり応えられていて、実際のプロ現場でレビューしているくらいの気分でした。皆さんのさらなるご活躍を楽しみにしています」と祝辞を述べた



「Award:Q 2017」審査結果


【モデリング部門(一般の部)】

グランプリ:楠戸亮介『SWORD IRGA』
グランプリ:岡崎滉平、福島啓介、山脇春奈『i can friday by day! in the studio』
準グランプリ:窪田虎次朗、鶴岡和人、ルカチャート・プムパット『アーチイルガ』
入選:松本優希『決戦の夜明け』
入選:伊藤颯哉『I can Friday by day!』
入選:瓜田匠海ほか3名『sword irga』
入選:後藤にいな『I can Friday by day!』
入選:関 歩夢『SWORD IRGA』


モデリング部門(一般の部)
グランプリ『SWORD IRGA』(楠戸亮介)



モデリング部門(一般の部)
グランプリ『SWORD IRGA』
楠戸亮介(神戸電子専門学校 2年生)


<楠戸さんコメント>「絵から立ち上げることは(学校の)課題として出ることもなく、参加させていただきました。造形自体が終わったのは締切1〜2週間前で、そこから色を塗って編集して、仕上がったのは最終日の朝でした。プラモが好きで、ボックスアートっぽさはねらっていました。メカが好きで、覚えていない頃の写真にも写っています(笑)。自分でデザインをしたいというよりも、デザイナーさんが作ったものを形にする方が好きです。プラモデルもカスタマイズせず、設定どおりに作るのが好きで、そこから作り込む発想でいます」



モデリング部門(一般の部)
グランプリ『i can friday by day! in the studio』(岡崎滉平、福島啓介、山脇春奈)



【モデリング部門(高校生の部)】

グランプリ:角木恵太『ICONIC FIELD』
準グランプリ:臼井圭吾『少尉』



モデリング部門(高校生の部)
グランプリ『ICONIC FIELD』(角木恵太)



【アニメーション部門】

グランプリ:※該当者なし
準グランプリ:ホン・ハンピョ『sword action』
準グランプリ:小川里奈『NAMPA』
入選:酒田克己『男女アクション』



アニメーション部門
準グランプリ『sword action』(ホン・ハンピョ)



【アニメーション部門】

アニメーション部門
準グランプリ『NAMPA』
小川里奈(静岡産業技術専門学校 3年生)



<小川さんコメント>「CGアニメーションのカメラワークや演出にも興味があったので勉強になると思い応募しました。初めて絵コンテから取り組んだ作品のため下準備に時間がかかってしまい、制作期間は1ヶ月くらい。他の先生に話を聞きながら取捨を選別してつくりました。いろんな3Dモーションのカメラワークを参考に自分なりにつくりました。Facebookで1日1モーション作成することを1ヶ月位続けていて、それをやりつつこの作品を制作していました。今回の課題である男女のバトルに対して、男の浮気がバレて喧嘩になるという設定にして、女がどれだけ怒っているか、男がどれだ



アニメーション部門
準グランプリ『NAMPA』(小川里奈)



info.

「Award:Q/Project Studio Q Anime CGAward 2017」


<審査委員>
審査委員長:小林浩康(株式会社プロジェクトスタジオQ 取締役 / 株式会社カラー 取締役)
審査委員:松野美茂 氏(株式会社ドワンゴ 映像制作部 部長)/松井祐亮 氏(株式会社カラー CGI 作画監督)/鬼塚大輔(株式会社プロジェクトスタジオQ / 株式会社カラー CGI 監督)/篠原たかこ(CG−ARTS協会 教育事業部 教育企画推進部 部長)/沼倉有人 (CGWORLD 編集長)
特別審査員:庵野秀明(株式会社プロジェクトスタジオQ 創作管理統括 / 株式会社カラー 代表取締役社長)

主催:株式会社プロジェクトスタジオQ
特別協賛:学校法人麻生塾
協賛:株式会社カラー/株式会社ドワンゴ
後援:福岡市/福岡地域戦略推進協議会/CG-ARTS協会(公益財団法人 画像情報教育振興協会)/CGWORLD
studio-q.co.jp/award/2017

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