2017.05.24 Wed

『魔法科高校の劣等生 LOST ZERO』キャラクターメイキング>>月産約40着。艶姿を彩るコスチュームの舞台裏

『魔法科高校の劣等生 LOST ZERO』は、2014年9月にスクウェア・エニックスより配信が開始されたiOS/Android用ゲームアプリだ。3年近くが経過した現在も新しいイベントやコスチュームを続々と展開しており、本年4月には200万ダウンロード達成が発表された。なお、原作である電撃文庫『魔法科高校の劣等生』(佐島 勤 著)は、2014年にTVアニメシリーズ(全26話)が放映され、6月17日には初の劇場版が公開される。根強い人気に支えられ、息の長い運営を続ける本作の舞台裏を、開発元であるビサイドの方々に伺った。

南治一徳氏(代表取締役社長)

株式会社ビサイド

大学を卒業後、プログラマーとしてゲーム会社に就職。その後、ソニー・コンピュータエンタテインメントのオーディション「ゲームやろうぜ!」に応募し合格。1999年にPlayStation用ソフト『どこでもいっしょ』を企画&制作。それ以降『どこでもいっしょ』シリーズをはじめ、様々なゲーム開発を手がける。

西之園 修氏(チーフデザイナー)

株式会社ビサイド

テクニカルアーティストとしてゲーム開発に携わる一方で、約25年にわたりキャラクターモデリングを趣味とする。『魔法科高校の劣等生 LOST ZERO』の開発にあたり、メインキャラクターのモデラーに抜擢される。

小泉彰男氏(デザイナー)

株式会社ビサイド

同社に所属するアニメーターの中の1人。『魔法科高校の劣等生 LOST ZERO』では、アニメーションとエフェクトを担当。

株式会社ビサイド

従業員数49人(契約、派遣社員含む)。コンピュータエンタテインメントの企画・開発・販売、キャラクターデザイン、CGアニメーション制作を行っている。代表作は『どこでもいっしょ』シリーズ、『拡散性ミリオンアーサー』、『乖離性ミリオンアーサー』など。
www.bexide.co.jp

しっかりと演技のできる3Dモデルを開発し、楽しいキャラ劇を届ける

本作の開発は、配信開始の前年、2013年の初夏にスタートした。その段階で、PlayStation Vita用ソフト『魔法科高校の劣等生 Out of Order』をはじめ、関連ゲームの複数プラットフォーム同時展開が決まっていたため、他との差別化を意識したと南治一徳氏はふり返る。「2014年4月からのアニメ放映に合わせ、当社以外の会社でも、複数本の開発が予定されていました。そんな中で埋もれてしまわないよう、自分たちの持ち味を活かした面白いゲームをつくろうと心がけましたね」(南治氏)。その一方、クライアントであるスクウェア・エニックスからは「ど派手なアクションのバトルを、簡単に楽しめるゲームにしてほしい」という要望があった。それらを踏まえ、3DCGによるキャラクター表現が決定したという。

『どこでもいっしょ』シリーズでは、長年にわたり、トロやジュン、リッキーといった3Dキャラクター同士の"かけ合い"をやってきました。このかけ合いを、当社では"キャラ劇"と呼んでいます。本作でも、しっかりと演技のできる3Dモデルを開発し、楽しいキャラ劇をファンの皆様にお届けすることを目指しました」(南治氏)。

▲【左】本作のキービジュアルを使ったタイトル画面/【右】コミュニケーションパートでは、キャラ劇(3Dキャラクター同士のかけ合い)が楽しめる。本作では、1画面に最大6体の3Dキャラクターを同時描画できるようになっている © 2013 佐島 勤 / KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊 / 魔法科高校製作委員会 © 2014-2017 SQUARE ENIX CO.,LTD.All Rights Reserved.Developed by BeXide Inc.


最盛期の開発スタッフは約20人で、モデラー5人、アニメーター3人が関わった。「Unityでの開発に初挑戦したタイトルだったこともあり、初期段階では、キャラクターデータのつくり方が決まるまで試行錯誤が繰り返されました」と西之園 修氏は語る。当時のフェイシャルアニメーションはテクスチャ切り替えによる表現が主流だったが、より豊かな表情を付けるため、モーフィング(Unityではブレンドシェイプと呼ぶ)を使うことにこだわったという。「開発開始から間もないタイミングでUnity4.3がリリースされ、ブレンドシェイプ機能が追加されたので、早々に使い始めました」(西之園氏)。

アニメーションとエフェクトを担当した小泉彰男氏は、原作に登場する魔法をどうビジュアライズするか、頭を悩ませたと語る。「例えば、メインキャラクターである司波深雪(しば みゆき)の魔法の中には、"ガスを収束し、空気中の二酸化炭素からつくり出したドライアイスの中に封じ込める魔法"がありました。どうすれば目に見えないガスや二酸化炭素を表現できるのか......。アニメも制作中で、指標にできるものは何もなかったので、すごく悩みましたね」(小泉氏)。そんな中でも、カッコ良くインパクトのある画づくりと、短い尺を心がけた結果、ほとんどリテイクは受けなかったという。本作の映像は、1番強力な魔法でも4秒以内に抑えられている。これはバトルをもたつかせないための配慮だと小泉氏は解説する。

運営開始から3年近くを経た現在では、クオリティを維持しつつ作業を効率化するための工夫がワークフローの随所に盛り込まれ、プレイアブルキャラクター全19体(2017年5月時点)のイベント用コスチュームを、月産約40着のペースで1人のモデラーが制作できるまでになっている。以降では、そんな驚きの制作体制の舞台裏を、画像と映像を交えて紹介していこう。

▲【左】バトルパートのちびキャラ表現にも3Dが使われている。詳しくは、以降で解説する/【右】司波深雪が氷炎地獄(インフェルノ)という魔法を使用した際にインサートされるリアルタイム映像。キャラ劇と同じ3Dモデルが使われている © 2013 佐島 勤 / KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊 / 魔法科高校製作委員会 © 2014-2017 SQUARE ENIX CO.,LTD.All Rights Reserved.Developed by BeXide Inc.

ウエイト調整の工夫、ツール開発、アニメーションの共通化などにより、作業を効率化

前述のTVアニメシリーズでは、原作イラストを担当する石田可奈氏が、キャラクターデザインや総作画監督も担当した。そのため同時期に進行した本作の3Dキャラクター制作でも、石田氏が描いたアニメ用の設定画に極力似せるという方針が採用された。「モデリング時には、ファンが親しんできた石田さんの2Dの絵にバッチリ合わせることを目指しました。さらに、アニメのような輪郭線を表現するため、Unity上で動作するアウトラインシェーダーを自作しています」(西之園氏)。

本作には原作があるため、ゲームオリジナルのキャラクターを大量につくることは難しい。そこでイベントに合わせ、様々なコスチュームを追加することで、ガチャのバリエーションを増やすという選択がなされた。「キャラクター1体あたり、月平均2着のコスチュームが登場します。現在のプレイアブルキャラクターは全19体なので、月平均38着のコスチュームをつくる必要があるわけです。初期にはモデラー4人でつくっていましたが、ボーンのウエイト調整のやり方を工夫したり、単純作業を自動化するツールを開発したりすることで、必要人数をモデラー1人にまで削減できました」(西之園氏)。

モデリングだけでなく、アニメーション工程でも効率化のための工夫がなされている。「モーフィング用のモーフターゲットは、キャラクターごとに3ds Maxで制作しています。ただし、それらをUnity上でブレンドするアニメーションは共通化されており、男性キャラクター1種、女性キャラクター1種のみです。顔と同様、身体のアニメーションも共通化しています」(小泉氏)。キャラクターごとにアニメーションを分けると、データサイズが大きくなり、ゲームの動作が重くなってしまう。プレイヤーが軽快に遊ぶ上でも、アニメーションの共通化が必要なのだという。ただし共通化しているのはコミュニケーションパートのみで、各キャラクターの見せ場であるバトルパートのアニメーションは個別に制作されている。

▲【左】チャイナドレスガチャ用の、北山 雫(きたやま しずく)のコスチュームのデザイン画/【右】同じく、水兵ガチャ用のデザイン画。「同じガチャのコスチュームでも、キャラクターによって形や色が微妙にちがうため、デザイン画を見比べ、効率的なデータのつくり方や、必要とされるUV領域を見極める必要があります」(西之園氏) © 2013 佐島 勤 / KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊 / 魔法科高校製作委員会 © 2014-2017 SQUARE ENIX CO.,LTD.All Rights Reserved.Developed by BeXide Inc.


▲チャイナドレスガチャ用のコスチュームを着用した、司波深雪の3Dモデル。なお本作の3Dは、3ds Maxで制作されている。キャラクター1体あたりのポリゴン数は、1万〜1万3千ほど。深雪は髪が長いため、特にポリゴン数が多くなっている。「ポリゴン数は描画負荷にそれほど影響しません。それよりも、テクスチャサイズの方が大きく影響します」(西之園氏) © 2013 佐島 勤 / KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊 / 魔法科高校製作委員会 © 2014-2017 SQUARE ENIX CO.,LTD.All Rights Reserved.Developed by BeXide Inc.


▲司波深雪のボーン。ボーン数は平均54本で、髪の長いキャラクターは60本を超える場合もある © 2013 佐島 勤 / KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊 / 魔法科高校製作委員会 © 2014-2017 SQUARE ENIX CO.,LTD.All Rights Reserved.Developed by BeXide Inc.


▲3dsMaxのスキンモディファイヤを使い、司波深雪の3Dモデルにウエイト(影響範囲)を設定している。この機能を使うと、各ボーンをエンベロープが包み込み、付近のポリゴンメッシュの頂点に対して自動的にウエイトが割り当てられる。【左】では胸椎、【右】では前腕に位置するボーンのエンベロープを調整している。この設定は頂点IDが変わっても流用できるため、トポロジーのちがう3Dモデルにも適応できる。「キャラクターやコスチュームが変わっても短時間でウエイトを設定し直せるので、個別に設定する場合と比べて、作業時間を大幅に圧縮できます。細かい破綻はエンベロープの調整によって修正しており、いちいち手動で頂点単位のウエイトを修正することは避けています」(西之園氏) © 2013 佐島 勤 / KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊 / 魔法科高校製作委員会 © 2014-2017 SQUARE ENIX CO.,LTD.All Rights Reserved.Developed by BeXide Inc.



▲司波深雪のフェイシャルアニメーション用のモーフターゲット【左上】。これらを組み合わせ、豊かな表情が付けられていく【右上】【左下】【右下】 © 2013 佐島 勤 / KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊 / 魔法科高校製作委員会 © 2014-2017 SQUARE ENIX CO.,LTD.All Rights Reserved.Developed by BeXide Inc.


▲3dsMaxで制作したモーフターゲットやアニメーションのデータをUnityにインポートし、ブレンドシェイプによるフェイシャルアニメーションを制作している。参照先のモーフターゲットとアニメーションに応じて、様々な表情が生成されていく。自動的にカメラ目線になる設定が適用されているため、身体の向きを変えても目線はカメラに固定されたままだ © 2013 佐島 勤 / KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊 / 魔法科高校製作委員会 © 2014-2017 SQUARE ENIX CO.,LTD.All Rights Reserved.Developed by BeXide Inc.



▲チャイナドレスガチャ用のコスチュームのテクスチャ【左上】。サイズは512×512pixel。アウトライン、リムライト、ハイライトなどはUnityのシェーダで表現するため、テクスチャ自体はマットな質感となっている。リムライトのカラーを紫【右上】から黄色に変更【左下】、アウトラインの太さを変更【右下】などの操作結果がすぐ反映される点が、シェーダを使うメリットだ。ちがうキャラクターやコスチュームに対しても、これらの設定を引き継げるというメリットもある。なお、どのシェーダも西之園氏が自作している。「3ds MaxとUnityはマテリアルのデータ構造が似ているため、マテリアル設定を3ds Maxからインポートした後、自動的にUnity内の3Dモデルへと割り当てる仕組みを構築しています。以前は手作業で割り当てていましたが、面倒な上、ミスも起こりやすいので、こういった作業はどんどん自動化した方が良いですね」(西之園氏) © 2013 佐島 勤 / KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊 / 魔法科高校製作委員会 © 2014-2017 SQUARE ENIX CO.,LTD.All Rights Reserved.Developed by BeXide Inc.


▲西之園氏がPythonで自作したツールの起動ボタンが画面左上に並んでいる。fbxデータ更新時のメッシュの崩れを修正するツール、データ複製時に切れてしまったマテリアルやテクスチャのリンクを再度つなげるツール、プロジェクトを全検索してファイル名の不適切な文字列を削除するツールなどがある。「1回の操作は数秒ですが、それが50回、100回になれば、結構な時間をとられます。プロとして開発に携わるからには、費用対効果の高い時間の使い方を目指したいですよね。そのためには自動化をして、単純作業に使う時間を短縮したり、ヒューマンエラーを防止したりすることが不可欠だと思います」(西之園氏) © 2013 佐島 勤 / KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊 / 魔法科高校製作委員会 © 2014-2017 SQUARE ENIX CO.,LTD.All Rights Reserved.Developed by BeXide Inc.


▲【左】チャイナドレスガチャのバナー/【右】カウガールガチャのバナー。イベントのたびに、このようなバナーも制作される © 2013 佐島 勤 / KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊 / 魔法科高校製作委員会 © 2014-2017 SQUARE ENIX CO.,LTD.All Rights Reserved.Developed by BeXide Inc.


▲チャイナドレスガチャ用のコスチュームを着用した、女性キャラクターの3Dモデル。Unity内にずらりと並んだ様子はたいへん壮観だ。「3ds MaxからUnityへと、各キャラクターの3Dモデル、ボーン、ウエイト設定、モーフターゲット、アニメーション、テクスチャなどのデータをインポートした後、Unity上でセットアップが完了するまでに要する時間は、1体あたり30分未満です。かつては3時間くらいかかっていましたが、改良に改良を重ね、かなり効率化できました」(西之園氏) © 2013 佐島 勤 / KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊 / 魔法科高校製作委員会 © 2014-2017 SQUARE ENIX CO.,LTD.All Rights Reserved.Developed by BeXide Inc.


▲カウガールガチャ用のコスチュームを着用した、女性キャラクターの3Dモデル © 2013 佐島 勤 / KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊 / 魔法科高校製作委員会 © 2014-2017 SQUARE ENIX CO.,LTD.All Rights Reserved.Developed by BeXide Inc.


▲晴れ着【左】、および水着【右】のコスチュームを着用した、女性キャラクターと男性キャラクターの3Dモデル © 2013 佐島 勤 / KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊 / 魔法科高校製作委員会 © 2014-2017 SQUARE ENIX CO.,LTD.All Rights Reserved.Developed by BeXide Inc.


▲バトルパートでインサートされるアニメーションの絵コンテ。【左】は司波深雪の氷炎地獄(インフェルノ)、【右】は千葉 エリカの山津波(やまつなみ)。どちらも原作ファンにお馴染みの魔法だ © 2013 佐島 勤 / KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊 / 魔法科高校製作委員会 © 2014-2017 SQUARE ENIX CO.,LTD.All Rights Reserved.Developed by BeXide Inc.


▲【左】エフェクトを制作中のUnityの作業画面。パーティクルシステムのShurikenを使い、司波深雪の魔法を表現している/【右】ゲーム画面での見映え © 2013 佐島 勤 / KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊 / 魔法科高校製作委員会 © 2014-2017 SQUARE ENIX CO.,LTD.All Rights Reserved.Developed by BeXide Inc.


▲【左】ちびキャラのエフェクトを制作中のUnityの作業画面/【右】ゲーム画面での見映え。ちびキャラのエフェクトは、全て小泉氏が担当している。「ゲーム画面で見ると、ちびキャラ同士の距離はそれほど離れているように見えませんが、実際には相当な奥行きがあります。カメラの画角を8°くらいの超望遠に設定すると、【右】のような見映えになります」(小泉氏)。ちびキャラは平面のポリゴンにテクスチャを貼ることで表現されている。ただし、切り絵のように輪郭線の形に合わせて切り抜かれているため、1体あたり150〜200程度の三角ポリゴンが使われている。「テクスチャのアルファチャンネルを使って輪郭線の外側を透明にするよりも、ポリゴンを切り抜いた方が描画負荷は小さくなります。エフェクトとキャラクターの前後関係の判定もシンプルになるので、エラーが発生しにくいというメリットもあります」(西之園氏) © 2013 佐島 勤 / KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊 / 魔法科高校製作委員会 © 2014-2017 SQUARE ENIX CO.,LTD.All Rights Reserved.Developed by BeXide Inc.


▲司波深雪による氷炎地獄(インフェルノ)のアニメーション。カメラワーク、アニメーション、エフェクトを含む、画づくりの全てを1人のアニメーターが担当している © 2013 佐島 勤 / KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊 / 魔法科高校製作委員会 © 2014-2017 SQUARE ENIX CO.,LTD.All Rights Reserved.Developed by BeXide Inc.


▲先のアニメーションのハロウィンバージョン。アニメーションや身体のデータはそのままで、コスチュームだけを変更している。「新しいコスチュームが登場するたびに、コスチュームの形やウエイトの方を調整することで、アニメーションの破綻を防いでいます。アニメーションのデータに手を加えると、他のコスチュームを着用した際の結果まで変わってしまうためです」(西之園氏) © 2013 佐島 勤 / KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊 / 魔法科高校製作委員会 © 2014-2017 SQUARE ENIX CO.,LTD.All Rights Reserved.Developed by BeXide Inc.


▲千葉 エリカによる山津波(やまつなみ)のアニメーション © 2013 佐島 勤 / KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊 / 魔法科高校製作委員会 © 2014-2017 SQUARE ENIX CO.,LTD.All Rights Reserved.Developed by BeXide Inc.


▲先のアニメーションのハロウィンバージョン © 2013 佐島 勤 / KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊 / 魔法科高校製作委員会 © 2014-2017 SQUARE ENIX CO.,LTD.All Rights Reserved.Developed by BeXide Inc.


▲零宮 あやな(ぜろのみや あやな)は、数少ない本作オリジナルキャラクターの中の1体だ。コスチュームはカウガールバージョンになっている © 2013 佐島 勤 / KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊 / 魔法科高校製作委員会 © 2014-2017 SQUARE ENIX CO.,LTD.All Rights Reserved.Developed by BeXide Inc.


▲双子の姉妹である、七草香澄(さえぐさ かすみ)&七草泉美(さえぐさ いずみ)による熱乱流(ヒート・ストーム)のアニメーション。コスチュームはロックバンドバージョンになっている © 2013 佐島 勤 / KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊 / 魔法科高校製作委員会 © 2014-2017 SQUARE ENIX CO.,LTD.All Rights Reserved.Developed by BeXide Inc.

ガチャのカード制作には、デザインドールやUnityを使用

イベントでは、3Dモデルのコスチュームに加え、ガチャのカードも必要になる。このカード制作には、デザインドールやUnityが使われている。「月平均50枚のカードが必要で、その多くは社外のアニメ会社などに制作を依頼しています。アニメの作画監督や原画の方々は、普段レイアウトを指針に画を描くので、それに相当するものを用意してほしいと言われるケースが多いのです。そのためデザインドール上の3Dモデルにポーズをとらせ、レイアウトに代わる画を用意するようにしています」(南治氏)。3Dを使うと、比較的短時間で破綻のないパースの画をつくれるため、依頼先とのやり取りの回数が大幅に減らせたそうだ。

また、一部のカードは、Unity上の3Dモデルを使い、社内のデザイナーが制作しているという。「当社のデザイナーは、全員が2D、3Dの両方に対応できるよう研修を受けています。そのため、Unity上で3Dモデルにポーズをとらせ、カメラを設定し、そのキャプチャ画像をレタッチして2Dのカードをつくるまでの工程を、1人のデザイナーが一貫して担当します。ゼロから手で描くよりも、短時間で見映えのする画を制作できますね」(南治氏)。

▲カウガールガチャ用のコスチュームを着用した司波深雪の3Dモデルに、Unity上でポーズをとらせている © 2013 佐島 勤 / KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊 / 魔法科高校製作委員会 © 2014-2017 SQUARE ENIX CO.,LTD.All Rights Reserved.Developed by BeXide Inc.


▲高解像度のキャプチャ画像【左】をカード内にレイアウトし、背景画像を加えている【右】 © 2013 佐島 勤 / KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊 / 魔法科高校製作委員会 © 2014-2017 SQUARE ENIX CO.,LTD.All Rights Reserved.Developed by BeXide Inc.


▲先の画をレタッチし【左】、デザイン要素を加えるとカードが完成する【右】 © 2013 佐島 勤 / KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊 / 魔法科高校製作委員会 © 2014-2017 SQUARE ENIX CO.,LTD.All Rights Reserved.Developed by BeXide Inc.

培ってきた独自性を伸ばす余地は、まだまだ残っている

以上のように様々な工夫を重ね、質の高いビジュアルを効率的に制作している同社だが、3年近くにおよぶ息の長い運営を続けてきたゆえの課題も抱えているという。「髪やアクセサリーなどの揺れ物を制御している物理シミュレーションをはじめ、様々なシステムを改良したいのですが、そのためには既存データをアップデートする必要があります」(西之園氏)。ただし、ユーザーの中には、月々にダウンロードできるデータ量に上限が設定されている人もいる。なるべくデータ更新はせず、ダウンロードの負担を減らすことも、運営する上では重要な配慮だという。「どの程度の頻度で、どのようにデータを更新するか、長く運営を続けているゲーム開発者は、当社に限らず頭を悩ませていると思います」(西之園氏)。

一方で、本作の開発と運営を通して得られたノウハウを、新しいゲーム開発に活かしたいという展望もあると南治氏は続ける。「本作の開発がスタートした当時、3Dキャラクターが活躍するスマホゲームはもっと増えていくだろうと思っていました。ところが、私が予想したほどには増えませんでした。当社のノウハウや独自性を活かす余地は、まだまだ残っていると思うのです。スマホゲームだけでなく、コンソールゲームも視野に入れ、もっといい感じの、もっと面白いゲームをつくっていきたいです」(南治氏)。





TEXT_尾形美幸(CGWORLD)
PHOTO_弘田 充

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