2017.04.12 Wed

学校研究>>東京工科大学の先生に聞く、成長の秘訣

実社会に役立つ専門の学理と技術を教育する、すなわち「実学主義」を基本理念に掲げる東京工科大学。同校でCGを研究する菊池 司先生に、学生時代の成長の秘訣を伺った。

菊池 司先生(メディア学部 准教授)

東京工科大学

拓殖大学 准教授を経て、2014年より現職。プロシージャルアニメーションやデザイン学を専門とする。

東京工科大学

メディア学部、メディアコンテンツコースでは、ゲーム、アニメーション、映像、音楽、Webなど、幅広い分野のコンテンツ制作に必要な表現技術を修得できる。本コースに研究室を構える菊池先生は、プロシージャルアニメーションとコンテンツデザインサイエンスの研究に取り組んでいる。
www.teu.ac.jp

卒業研究の成果が、ポートフォリオの代わりになる

メディア学部の菊池 司先生は、プロシージャルアニメーションに関する講義や研究を行っている。「雪・雲・砂・木・衣服の動きなど、手付けだと膨大な時間を要するアニメーションを、アルゴリズムによって自動生成する技術をプロシージャルアニメーションと呼びます」。

例えば、映画『アナと雪の女王』(2013)における雪の表現には、当時最高レベルの研究成果が投入されており、SIGGRAPHという世界最大のCGの国際学会で発表されている。


▲ディズニー映画『アナと雪の女王』で使われた雪のシミュレーション技術を紹介する映像。本映像は、SIGGRAPH 2013にて発表された。論文のPDFも公開されている


「『先端メディアゼミナール』という講義では、SIGGRAPHの著名な論文を読み解きながら代表的なアルゴリズムを学び、HoudiniというCGソフトを使った実装も経験します」。Houdiniは、アルゴリズムの実体をノードのつながりによって視覚的に把握できるため、プロシージャルアニメーションの学習や研究に適していると菊池先生は解説する。

「当校でも、HoudiniをはじめCGソフトの使い方を学べますが、専門学校と比べれば割かれる時間は短いです。3年次の就活シーズンの時点では見映えのするポートフォリオをつくれず、焦る学生もいます。彼らには『就活が上手くいかないなら、腹をくくって卒業研究に集中しなさい』と助言しています」。卒業研究に全力投球すれば、その研究成果がポートフォリオの代わりになる。そうやって4年次の後半に内定をもらった先輩たちと同じように、学生の本分をしっかり全うしてほしいという。

School Life:1年以上かけて、卒業研究に取り組む

▲林 瑞樹氏(2017年3月卒業)が卒業論文『半紙の乾燥収縮によって生じる皺のビジュアルシミュレーション』のために制作した画像。半紙の繊維の向きをデジタルマイクロスコープで調べ【左】、墨汁による乾燥収縮を再現するアルゴリズムを提案し【右】、その成果を取り入れた映像も制作している


▲アルゴリズムの解説動画


▲最終映像作品。この作品を見ると、研究成果が実際の映像制作にどう活かされるのかがよくわかる。「当校では、3年次前期に所属する研究室を決め、夏休み頃から卒業研究のテーマを考え始めます。4年次の夏休み前には研究目的、研究方法、先行研究などをまとめた中間報告書を提出し、4年次の後期で完成させます。その間ずっと地道な作業が続きますが、CGをつくる仕事は、そういう地道な作業の繰り返しです。その過程を楽しめないなら、CGを仕事に選んでも辛くなると学生には話しています」と菊池先生は解説する

Graduate:仕事でもHoudiniを使うため、技術的な知識が役立っている

青木拓也氏(2017年3月卒業)

株式会社オムニバス・ジャパン

メディア学部 菊池研究室に所属し、在学中はCGプロダクションでインターンシップも行う。現在はオムニバス・ジャパンの3DCGクリエイターとして、映画VFXや3DCGコンテンツの制作業務に従事。
www.omnibusjp.com

▲青木拓也氏が卒業論文『樹木の破壊シミュレーション』のために制作した画像。樹木の破壊表現のためのアルゴリズムを提案し【左】、その成果を取り入れた映像も制作している【右】。「講義を通して、CGの根本的な理論や数学の基礎を学べたことが、今の自分の土台になりました。仕事でもHoudiniを使っているため、技術的な知識が役立っています」と青木氏は語る。在学中はCGの勉強に加え、積極的な行動を心がけたという。「菊池先生には研究室所属前から話を伺い、学外のCG関連イベントにも積極的に参加しました。思い切って行動することが、新たな知識や技術の修得につながったと感じています」





TEXT_尾形美幸(CGWORLD)
PHOTO_弘田 充

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