2016.10.19 Wed

人に求められ、自分が楽しめれば仕事になる>>Blizzard Entertainmentアニメーター小池洋平氏のキャリアパス

アメリカ カリフォルニア州にあるアーバインは、人口約24万人、地中海性気候の過ごしやすい都市で、犯罪発生率の低さで有名だ。この地に本社を置くBlizzard Entertainmentは、『オーバーウォッチ』『ディアブロ』シリーズなどの世界的大ヒットゲームを開発している。本記事に登場する小池洋平氏は2016年1月に同社へ移籍し、シネマティック アニメーターとして『オーバーウォッチ』のショートムービーなどを手がけてきた。一方で、小池氏はアニメーション オンラインスクールAnitoon Academiaの開設者&講師でもある。週末には、日本の現役アニメーターとアニメーター志望者を対象にアニメーションを教えている。渡米前の大学時代には「B'zに憧れて、音楽をやりたかった」という小池氏が、どうしてアーバイン在住のアニメーターになったのか、これまでのキャリアパスを語ってもらった。

小池洋平氏(シネマティック アニメーター)

Blizzard Entertainment

城西国際大学を卒業後、2010年に渡米。Academy of Art University(サンフランシスコ)やThe Animation Collaborative(エメリービル)で3Dキャラクターアニメーションを学ぶ。Polygon Entertainment、2K Gamesでアニメーションを担当した後、2016年1月にBlizzard Entertainmentへ移籍。シネマティック アニメーターとして、ゲーム『オーバーウォッチ』のショートムービー『DRAGONS』『HERO』『THE LAST BASTION』の制作に参加する。自身がアメリカで受けたアニメーション教育を日本語で伝えるため、オンラインスクールのAnitoon Academiaを2015年に開校。週末は講師としてアニメーションを教えている。
us.blizzard.com/en-us/

『才能の有無』=『それを楽しめるか否か』

城西国際大学メディア学科(現 メディア学部)で受けたPOV-Rayによる実習を通して、小池氏は3DCGに出会い、その面白さを知ったという。「一番影響を受けたのは、後岡喜信先生(同大学の教授)の講義でした。先生のご専門はメディアデザインで、新聞やWebサイトなどのメディアに掲載された情報が、どんな影響力をもつかを学びました。それに加え、『3DCGの基本を学べる』という理由でPOV-Rayの実習もあったのです」。

POV-Rayはオープンソースのシンプルな3DCGソフトで、何をするにもソースコードを打つ必要がある。「例えばプリミティブな立方体を1つ配置するにしても、(x, y, z)の座標値をソースコードで指定する必要がありました。マウスでドラッグして配置するといった、Mayaや3ds MAXなら当たり前にできる直感的な操作はできなかったのです。一緒に受けた僕の友人は、吐きそうなくらいストレスを感じていました」。

その友人とは対照的に、小池氏はPOV-Rayの実習を大いに楽しんだとふり返る。「4,000行くらいのソースコードを打ち込んでロボットをつくりました。レゴ ブロックで遊ぶような感覚で楽しめたのです。そんな僕と、つらそうにしている友人を比較したとき、『向き・不向きとはこういうことか!』と実感しました」。一方で、友人は小池氏にとっては苦痛でしかなかった別の分野で力を発揮し、その分野のプロになったという。

当時の小池氏は音楽の道に進むことを夢見ており、大学を卒業した後はケーブルテレビの営業(アルバイト)をやりつつ音楽活動を続けた。「今だからわかりますが、音楽をつくることを僕は楽しめていませんでした。むしろつらかったですね。でも『このつらさを乗り越えないと、プロにはなれない』と思い込んでいました。僕は音楽をやりたかったわけではなく、"B'z"になりたかったわけです。そんなエゴ発信の音楽を求める人はいないですよね。それに気付いたとき、僕に音楽の才能はない、僕は音楽を仕事にするべきではないと覚りました」。

『才能の有無』と『それを楽しめるか否か』はイコールだと小池氏は語る。「楽しめないなら全然幸せじゃないし上達もしない。それが『才能がない』ということだと思うのです。一方で、人がやりたがらないこと、苦手なことを自分が楽しんでできるなら、それはサービスとして成立します」。人に求められ、自分が楽しめれば仕事になる。その考えにいたったとき、小池氏は楽しかったPOV-Rayの実習を思い出した。「3DCG関係の何かをやろう。そのために、3DCGを勉強しようと決めました」。

▲城西国際大学入学から、取材時点(2016年9月)までの小池氏のキャリアパス。人に求められ、自分が楽しめることは何かを考えた結果『3Dアニメーションを仕事にする』という結論にいたった

入学後の1年間は、ドローイングや2Dアニメーションを受講

3DCGをやると決めた小池氏は、サンフランシスコのAcademy of Art Universityに留学した。「海外で活躍している日本人3DCGアーティストの経歴を調べたら、Academy of Art Universityの卒業生が複数いたのです。つまり同じ学校で勉強して活躍できなかったとしたら、自分の力不足ということです。自分次第で道は開ける、必ず開いてやるという思いで入学しました」。

3DCGを志して入学した小池氏だが、意外なことに最初の1年間は伝統的なスカルプト(粘土などを使った造形)やドローイング(単色の画材で描いた絵)など、アナログアートのクラスばかりを取っていたという。「Academy of Art Universityの学生は、専攻に関わらずアートの基礎教育を受けることが必須とされています。僕の場合、スカルプトよりもドローイングの方が楽しめたし、先生から評価もされました。だったらモデリングよりアニメーションの方が向いているのだろうと思い、2Dアニメーションのクラスも取ってみたら、こちらも楽しくできました」。このとき受講したクラスでは、ライトボックスの上に紙を置き、鉛筆で1枚1枚の画を描いていった。「集中力を要するうえ時間もかかる作業でした。今となってはやりたくても時間が取れないからこそ、経験できて良かったと思っています」。

▲ドローイングのクラスで描いた課題。紙にチャコールペンシルで描いている


▲フィギュアドローイングのクラスで描いた課題。目の前にいるモデルを見ながら描いている。「当時は単に『楽しいな』という思いだけで描いていましたが、後になるほど『やってよかった』という思いが強くなりました。人の身体の構造、重心の位置、きれいに見えるラインなど、ドローイングを通して色々なことを学びました。その知識や経験が、今の3Dアニメーションの仕事に活きています」


▲2Dアニメーションのクラスで描いた課題。ウォークサイクルの1枚で、完成作品は下記で紹介するデモリール『Yohei Koike Character Animation Demo reel 2012 Summer』の00:41以降で確認できる


キャラクターの動きを紙に鉛筆で描く場合、描いては消し、描いては消しを繰り返すほど、紙は傷むし時間もかかる。自ずと『こうあるべき』というゴールデンポーズを一生懸命に想像し、入魂の1枚を描くようになったという。「このときの経験は、3Dアニメーションに移行した後もすごく役立ちました。3Dの場合は最初からモデルが画面内に置かれているため、ゴールデンポーズを発見する前に『これでいいや』と判断してしまうケースが多いのです。頭の中でゴールデンポーズを描けていれば判断を誤ることはないですし、完成までの時間が短くなります」。

その後、小池氏は3Dアニメーションのクラスも受講し、2Dと3Dのアニメーション作品をまとめた約1分半のデモリールを制作した。「その頃にはアニメーションに対する自信もついていたので、デモリールをピクサークラスの選考に送りました」。Pixar Animation Studios(以降、ピクサー)は、サンフランシスコの隣町であるエメリービルにあり、同社の現役アニメーターが講師を務めるピクサークラスはAcademy of Art Universityの人気クラスとなっている。常に定員以上の受講希望者がいるため、デモリールを送って選考を受ける必要があるという。

「ピクサークラスは3段階のレベルに分かれており、レベル1では12の基本原則、レベル2ではアクション、レベル3ではアクティングを学びます。レベル1で学ぶのはアクションとアクティング以前の基礎なので、スキップしたがる人が結構います。僕もその中の1人だったのですが、デモリールを見た先生から『お前はレベル1でいい。理由は受ければわかる』と言われました。実際、その通りでしたね」。


▲ピクサークラス レベル1の選考を通過した際のデモリール『Yohei Koike Character Animation Demo reel 2012 Summer』。手描きの2Dアニメーション作品と、3Dアニメーション作品の両方が入っている。選考用のデモリールは『2分以内』と定められていたそうだ

"地に足の着いた"動きを付けたいなら、まずは基本原則を学ぶ

話がやや脇道に逸れるが、小池氏は在学中にAnitoonブログを開設し、自身が受けたアニメーション教育の内容を日本語で発信し始めた。そして2015年には、Anitoon Academiaというアニメーション オンラインスクールを開設した。このスクールのカリキュラムは、ピクサークラスでの学びがベースになっているという。

「日本とアメリカの3Dアニメーションを取りまく環境には、2つの大きなちがいがあると感じています。1つ目は、予算と期間です。日本の方が制作にかけられる予算が少なく、期間は短いため、クオリティを上げたくても上げきれない場合が多い。2つ目は、学問としてアニメーションを学んだ経験をもつ人の数です。日本には、整理され、体系化されたアニメーションの基礎教育を受けられる環境がほとんどないため、教育環境を求める日本人は少なくありません。自分はプロとしての経験が浅く、まだまだ未熟な部分も多いですが、1人でも学びたいという人がいて僕に伝えられることがあるなら、やる価値は大きいと思ったのです」。

前述した通り、ピクサークラスのレベル1では12の基本原則を学ぶ。この原則はディズニー・スタジオでスーパーバイジング・アニメーターを務めたフランク・トーマス氏、オーリー・ジョンストン氏が共著書『Disney Animation / The Illusion of Life』(1981)の中で紹介したアニメーションの基本原則だ。同著は『生命を吹き込む魔法』(徳間書店)として日本でも翻訳出版されている。この基本原則は欧米のアニメーターの共通言語になっており、仕事を支える基本知識でもある。だからこそ、レベル2以降よりもずっと大事だと小池氏は力説する。「基本原則が習得できれば、以降は独学でもそこそこ伸びていけます。けれども基本原則がおざなりだと、学校の先生はもちろん、スタジオのリードアニメーターやスーパーバイザー(以降、SV)とのコミュニケーションも成立しません。アニメーション自体も、文字通り"地に足の着いた"ものになりません」。

Anitoon Academiaのレベル1クラスでは、丸いボール、振り子、錠剤(ピル)型のキャラクターなど、極めてシンプルな形のモデルにアニメーションを付ける課題を通して、基本原則を学んでいく。「ボールやピルのアニメーションは、すごく簡単そうに見えます。『そんな課題は飛ばして、早く人間のアニメーションを付けたい!』と思う人は多いです。僕自身、かつてはそう思っていました。でも人型のキャラクターには配慮するべきことが膨大にあり、初心者は手に負えません。人型の場合、一番大切なのは胸郭と骨盤、その間をつなぐ脊柱の動きです。これらが理に適った動きをしていなければ、すべてが台無しになります。それを理解するためには、頭も腕も脚もない、ピル型のキャラクターにアニメーションを付ける練習が最適なのです」。たとえピル型のキャラクターであっても、基本原則に則ったアニメーションを付けていれば、見る人には重さや仕草が伝わる。それができないうちは、人型のキャラクターに"地に足の着いた"動きをさせることは不可能だという。

▲【左】振り子のモデルを使った課題/【右】錠剤(ピル)型のキャラクターを使った課題。非常にシンプルな形だが、基本原則に則ったアニメーションを付けていれば、どちらが前でどちらが上なのか、見る人に伝わるという。実際の動きは下記で紹介する動画『Anitoon Academiaのクラス課題サンプル』で確認できる


▲人型のキャラクターを使った課題。胸郭、骨盤、脊柱で構成される体幹に、頭、腕、脚、髪の毛、服装などの要素が加わる。配慮するべきことが膨大にあるため、この課題に挑戦するのはレベル1の後半からとなる。実際の動きは下記で紹介する動画『Anitoon Academiaのクラス課題サンプル』で確認できる


▲Anitoon Academiaのクラス課題サンプル

的確なクリティークを受け、良点と改善点を区別する

Academy of Art Universityのピクサークラスでは、3Dアニメーションの実習を行わない。受講者は講義以外の時間に課題を制作し、講義中は課題の良点と改善点を講師から教えてもらう。良点とは、そのまま残すべき要素。改善点とは、改めるべき要素だ。改善点に関しては、どのように改めるべきか、具体的な直し方も伝えられる。このプロセスをアメリカではクリティーク(critique)とよび、3Dアニメーションの仕事の現場でも、アニメーターはSVなどからクリティークを受ける。「基本原則を知っても、自分がつくった3Dアニメーションに対する的確なクリティークを受け、ブラッシュアップに取り組まなければ、一定以上のレベルには到達できません。良点と改善点を区別できないと、闇雲な改変を繰り返し、堂々巡りに陥る危険性だってあるのです」。

アニメーションとは、数ある選択肢の中から、そのショットに最適なものを選び出して表現することだと小池氏は解説する。基本原則は、アニメーションの先人たちが残してくれた選択肢の宝庫だから、それを身に付けていれば、より早く、より良い結果にたどり付ける。日本のセルルックアニメはリミテッドと呼ばれる表現スタイルをとっているが、基本原則の有用性は変わらないので、ぜひ学んでほしいという。「日本のリミテッドアニメーションと欧米のフルアニメーションのちがいは、誇張のさじ加減だと思っています。加減がちがうだけで、誇張を施すという点では共通しているので、学んだことは必ず活かされます」。

2016年9月現在、小池氏が開設したAnitoon Academiaのクラスは、レベル1とレベル2の2段階に分かれている。「レベル1では、ピクサークラスと同じように、課題のクリティークを通して基本原則を伝えています。レベル2では、人型のキャラクターを使った課題に挑戦し、アクションを学びます」。ピクサークラスの場合には、アクティングを学ぶレベル3も存在する。しかし日本ではアクティングの需要が少ないため、現時点ではクラスを設けていないという。「アクションとは、学問に例えるなら物理学です。物理的に正しい動き、自然な動き、生き生きとした動きの付け方を学びます。これに対し、アクティングは心理学に当たります。キャラクターの心の動きを、呼吸のリズム、視線の動き、手の仕草などで表現する方法を学びます。この2つは完全に別物なので、ゼロから学び直すくらいの気持ちが必要です」。

クリティークを受け、『ああしろ』『こうしろ』と言われたかった

2013年にAcademy of Art Universityを卒業した小池氏は、The Animation Collaborativeというスクールでアクティングを学び始めた。このスクールはピクサーの社屋の目の前にあり、ピクサーを含む、様々なスタジオのアーティストが講師を務めている。「城西国際大学で取得した一般教養の単位を移行できたので、Academy of Art Universityは2年半で卒業できました。その結果、ピクサークラスはレベル2までしか受講できなかったのです。就職用のデモリールもつくっていなかったので、月∼木曜日はアニメーションの勉強とデモリール制作に打ち込み、金∼日曜日はサンフランシスコのジャパンタウンにあったしゃぶしゃぶ屋でアルバイトをしました」。デモリールが完成すれば、絶対に仕事を得られると信じており、不安や焦りはなかったという。「週4日はひたすらアニメーションに打ち込めるので楽しかったですね」。

▲【左】The Animation Collaborativeのエントランス/【右】クラス中の風景。受講者の課題に対して講師がクリティークする様子をクラス全員で見学している。アニメーションの画の上から重ね描きをすることで、具体的な直し方を伝えられるようになっている(写真提供:小池洋平氏)


その後、小池氏は2014年からPolygon Entertainmentでアニメーションの仕事を始め、2015年には2K Gamesに移籍した。どちらも知人の紹介で契約が決まったため、就職活動はしなかったという。「Polygon Entertainmentではテーマパークのライド映像、2K Gamesではインゲームアニメーションを制作しました。どちらも契約社員扱いだったのですが、2K Gamesでの仕事がまる1年を迎える頃『もうすぐ正社員にできそうだ』という話をされました」。

ちょうどその頃、小池氏はCTN Animation eXpoというイラストレーターやアニメーターが集うコンベンションに参加し、Blizzard Entertainmentのスタッフに出会った。「たまたま通りかかった道ばたに、Blizzard Entertainmentのブースがあったのです。ブースにいたスタッフはアニメーション担当者ではなかったのですが、自己紹介がてらデモリールを見せたら『ちょうどシネマティック アニメーターを探しているので、担当者に見せておく』と言われたのです」。その時点では、リップサービスだと思っていたと小池氏は笑う。「数週間後に、『当社の仕事に興味はありますか?』という主旨のメールをもらいました。その時点でも、スパムメールじゃないかと疑ってしまいましたね」。


▲2K Games時代のデモリール『Yohei Koike Demo reel 2015 March』


Blizzard Entertainmentから提示された条件は、4ヶ月の契約社員だった。それでも小池氏は2K Gamesでの仕事を辞め、Blizzard Entertainmentがあるアーバインへの引っ越しを決意した。「アニメーターとして、もっと成長したいという思いが強かったのです。そのときは、4ヶ月で契約が切られた場合のことを深く心配しませんでした。何とかなるだろうと思っていたし、実際、1年経った今は正社員として仕事を続けられています」。インゲームアニメーションの仕事では、プレイヤーが操作するゲーム内のキャラクターの動きを付ける。ゲームエンジンを介して出力されるアニメーションは、小池氏がつくった通りに表示されない場合もあるため、クリティークを受ける機会はそれほど多くなかった。「シネマティック アニメーションの場合、自分のつくった動きがそのまま画面に映されるので、毎日クリティークを受けられる。僕はデイリーベースで『ああしろ』『こうしろ』と言われたかったのです」。

▲Blizzard Entertainmentのエントランス(写真提供:小池洋平氏)


Blizzard Entertainmentに移籍した小池氏は、ゲーム『オーバーウォッチ』のショートムービー『DRAGONS』『HERO』『THE LAST BASTION』の制作に参加した。ちなみに小池氏の担当は、『DRAGONS』で9ショット、『HERO』では5ショットだったという。「どれも尺は7分前後、アニメーションの制作期間は3ヶ月で、仕事の回転はすごく速いです。映画の場合には1本の制作に何年もかけますし、途中でストーリーが変わり、アニメーションをつくり直すことも多いと聞きます。今の仕事はサクサク終わり、次々と新しい作品に関われる。このサイクルが自分には合っていると感じます」。


▲Blizzard Entertainmentへの移籍後、小池氏が携わったゲーム『オーバーウォッチ』のショートムービー『DRAGONS』『HERO』のデモリール。『Overwatch Demo Cinematic animator Yohei Koike』


シネマティック アニメーションのチームに所属するアニメーターは約30人で、SVとリードアニメーターがクオリティ管理、他工程とのやり取りを担当する。スケジュール管理、進行管理は別の専任スタッフに任されているそうだ。「日本に比べれば分業化が進んでいると思います。カメラワークはレイアウトアーティストの担当で、彼らがつくったプリビジュアライゼーションを参照しつつ、キャラクターのアニメーションを付けていきます。ストーリーボードに大事な演出意図が込められている場合もあるので、両者を見ながら、ディレクターやSVにアニメーションを提案し、ブロッキング、スプライン、ポリッシュという段階を経てつくり込みます」。

Blizzard Entertainmentは居心地がよく、今の仕事にやりがいを感じているため、当面は環境を変えるつもりがないと小池氏は語る。ただし、『いつかは自分のフィルムをつくりたい』という夢をもっているという。「Academy of Art Universityで2Dアニメーションを教えてくださった先生が、『アメリカには大人向けのアニメーションをつくれる土壌がない。日本がうらやましい。アメリカには『AKIRA』(1988)のような革命的な作品が必要だ』と語っていました。求める人がいるなら、それは仕事になるはずです。いつかはアメリカで、先生の願いに応えるようなフィルムをつくって公開したいです!」。





TEXT_尾形美幸(CGWORLD)
PHOTO_弘田充

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