2016.08.19 Fri

ポートフォリオ徹底解説 No.01(コロプラ)>>ZBrushの技と造形力を評価

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『白猫プロジェクト』『ドラゴンプロジェクト』など、人気のスマートフォンゲームアプリを展開するコロプラ。デバイスの進化にも注目しており、VRコンテンツの研究開発にも積極的に取り組んでいる。2015年4月に同社へ新卒社員として入社したW.K氏のポートフォリオを紹介する。

【左】W.K氏(デザイナー)
【右】緒方仁暁氏(執行役員/次世代部 部長)

株式会社コロプラ
colopl.co.jp/

自身の造形力を生かすため、ZBrushで作品を制作

HAL東京 ゲームデザイン学科(4年制)に通い、3DCGを学んだW.K氏。最初にポートフォリオをつくったのは2年生の終わり頃だったとふり返る。「その後の就職活動で使ったものと比べると、インンパクトの弱いポートフォリオでした」(W.K氏)。その頃からゲーム業界への就職を意識し始めたW.K氏は、どんな技術を修得すべきか、どんな作品をつくるべきかを探るため、インターネットで情報を集めたという。「ZBrushというソフトが国内外の3DCG制作者に評価されていることを知り『これを使いこなせるようになれば、就職に有利ではないか』と思いました」(W.K氏)。

W.K氏は、HAL東京へ入学する以前、スーパースカルピーという樹脂粘土を使ったフィギュア制作、アクセサリー制作を学んでいた。その経験を通して培った造形力を3DCG制作に生かすという観点からみても、ZBrushの使用は有効だったという。「粘土を扱うのに近い感覚でモデリングできるようになったことで、作品のクオリティも、制作のスピードもアップしました」(W.K氏)。ZBrushを使った新作が完成する度に、ポートフォリオの作品を差し替え、より良い内容へと更新し続けたそうだ。

そして3年生の終わり頃、HAL東京の『就職作品プレゼンテーション』というイベントでW.K氏は最新のポートフォリオを披露した。その会場で初めてW.K氏の作品を目にしたコロプラの緒方仁暁氏は、当時の印象を今もよく覚えていると語る。「随分とつくり込まれた作品が並んでいて、腕が良いことはすぐにわかりました。特に後半のフィギュアやアクセサリーのカテゴリには"彼らしさ"をよく表した作品が並んでいて印象的でした。この造形力が礎(いしずえ)となり、前半の3DCGカテゴリの作品群がつくられたのだなと、ポートフォリオに掲載している全作品の印象がつながっていきました」(緒方氏)。その数ヶ月後、W.K氏はコロプラの新卒採用に応募し、面接の席で緒方氏と再会した。緒方氏をはじめとする採用担当者にW.K氏の実力と人柄が評価され、採用にいたったという。

Work01:ZBrushによるハイポリゴンのキャラクター

ZBrushを使って造形されたハイポリゴンのキャラクター。全身を覆う装甲、ヘルメット下の頭部、複数の武器、敵のモンスターの全てが細部までつくり込まれている。ZBrushの勉強期間も含め、完成まで1ヶ月を要した大作だ。W.K氏は本作以外にも複数のZBrush作品をポートフォリオに掲載しているが、その中でも本作の完成度は一際高い。「最初に掲載してあったので、一番見てほしい自信作なのだとすぐにわかりました」(緒方氏)。

▲4ページを使い、作品について詳しく解説している。キャラクターの設定や世界観が各ページのグラフィックデザインにも反映されており、作品の良さを引き立てている点にも注目してほしい。【左上】キャラクターの上半身のディテールを紹介/【右上】ポーズを付けた全身を掲載し、世界観を表現/【左下】ヘルメットのギミックや頭部、装甲を紹介/【右下】4面図を使い、キャラクターと武器の形状を紹介

Work02:Mayaによるローポリゴンのキャラクター

前述のZBrush作品とは対象的に、こちらはMayaを使い、ローポリゴンでモデリングされている。ゲームやVRコンテンツの3DCGは、基本的にリアルタイムに計算・描画されるため、ポリゴンの数も、テクスチャの解像度や枚数も、なるべく少ない方が望ましい。制約があるなかで、どこまでリッチな表現ができるかに挑戦した意欲作であり、ゲーム業界への就職を強く意識した作品でもある。

▲この作品の解説にも4ページを使っている。ここではその中の2ページを紹介しよう。【左】キャラクターや武器を大きく掲載し、ディテールを紹介/【右】3DCGモデルの形状やテクスチャを紹介。ローポリゴンのモデルでは、ポリゴンの総数に加え『関節などの曲がる部分のポリゴン数に過不足がないか』『変形を妨げない面のながれになっているか』といった分割方法も重視される。そのため、モデルのワイヤフレームも掲載している

Work03:造形力を伝えるスケッチ・フィギュア・アクセサリー

ゲームやVRコンテンツの開発には、多種多様な芸術作品・エンターテインメント作品の制作ノウハウが生かせると緒方氏は語る。そのため、3DCG作品以外の制作経験にも注目するし、デッサン力、造形力といった基礎的なアートスキルも重視するという。「基礎が備わっており、多くの人の心を動かす表現ができる人であれば、当社には必ず活躍の場があります。W.Kの作品を見たとき、彼ならきっと活躍してくれると確信しました。実際に、今ではVRチームの頼もしい戦力へと成長しています」(緒方氏)。

▲【左】戦国武将をモチーフにしたオリジナルキャラクターのスケッチ/【右】スーパースカルピーでつくったフィギュア


▲同じくアクセサリー。3DCG、スケッチ、フィギュア、アクセサリーといった表現手法を問わず、どの作品からも『造形が好き』『造形を仕事にしたい』というW.K氏の強い思いが伝わってくる





TEXT_尾形美幸(CGWORLD)
PHOTO_弘田充

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